米中対立再燃でビットコイン下落──金融市場はリスク回避へ【2025年10月中旬の相場概況】

要約：2025年10月中旬、米中が相互に港湾手数料を導入するなど対立が再燃。ビットコインやイーサリアムは下落し、為替や株式にもリスク回避のムードが波及しました。IMFは市場の「無秩序な調整」リスクに言及しており、センチメント管理が鍵となります。

米中対立が再燃──港湾手数料の応酬が物流と心理を直撃

10月14〜15日にかけて、米中が海運企業に対する相互の港湾手数料を打ち出し、通商摩擦が一段と強まりました。サプライチェーンの混乱懸念が再燃し、投資家心理はリスク回避に傾斜しました。

10月14日（現地）にはビットコインとイーサが下落し、前日の上昇を帳消しに。BTCは一時約$110,000台まで下落、その後$113,000台へ小反発、ETHも終日マイナス圏で推移しました。急落局面ではレバレッジ清算（強制ロスカット）が増えたとの指摘も出ています。

また、10月10〜11日の「フラッシュ・クラッシュ」以降、再下落への備え（ヘッジ）が広がる動きも観測されました。

対立激化が意識される中、為替市場ではドルの強弱が交錯。一時的にドル安方向へ傾く局面も見られました。米国の政策スタンスも注目されており、パウエル議長の発言や雇用データが相場の変動要因となっています。

IMFは「無秩序な市場調整」のリスク上昇を指摘。通商摩擦や膨張する財政赤字、株式・信用市場の過熱感などを挙げ、下方リスクへの備えを促しました。

同時期にIMFは日本の成長見通しを上方修正、日銀の段階的利上げの可能性にも言及しました。国内投資家にとっては、外部リスクに加え国内金利の行方が資産配分の重要変数です。

短期的には「イベントドリブンのボラティリティ」を想定し、ヘッジ活用とポジション軽量化が有効です。中期的には通商政策・金利・国内賃上げの三点を軸に、株（輸出依存度／内需バランス）×為替×暗号資産の相関変化をフォローしたいところです。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。市場環境・価格は記事執筆時点（日本時間2025年10月15日）での情報に基づきます。